膝にある平賀が描いたトランプマークを、みゆきは左手で隠した。
平賀はテレビ台の上に置いてある、初めに作ったレッドアイをつかんだ。清
水に向けて、ブラブラふる。
「清水、喉、乾かないか?」
平賀はさらに、ブラブラとグラスのレッドアイをふった。
「乾いてます。て言うか、早く帰らせてくださいよ」
「フン。飲むか? 清水。高木さんは、私の酒が飲めないって言うんだよ。こ
の二つのグラスを空ければ、帰してやるって言うのに…………」
清水は少し止まった。薄い髪をかきあげる。
「飲みますよ。え、高木さん飲めないの? 普段、飲んでんじゃん。さっさ
と、飲みましょうよ」
清水は平賀からグラスを受け取る。レッドアイを一息で空にした。
「あ、うめぇ、レッドアイですか。うまいっす」
平賀はいつもの営業用の笑顔になった。
「後は、高木さんだな。飲むのか、飲まんのか、ハッキリしたまえ。飲めるだ
ろっ、高木さんっ」
「そ、その…………」
みゆきはもう一度、グラスを口まで持っていった。一口すする。静かにグラ
スを元の位置に戻した。
「飲めません、私…………お酒、やめました」
「フン、代わりに飲むか? 清水。私も帰りたくなった」
「高木さん、飲みましょうよ。飲まないの? じゃあ、帰りたいんで飲みま
す。帰りましょう」
清水はテーブルに置かれたグラスをつかむ。一息にレッドアイを飲み干し
た。
「帰りましょうーー」
平賀はソファーに座る。興味を失ったかのように、そっぽを向く。
みゆきはテーブルから降りる時にフラついた。足の裏で床を踏みしめる。み
ゆきはクリアファイルで膝を隠した。
「あー、やっと帰れるわ――、高木さんに関わると、ろくなことないですね」
清水はみゆきに嫌みを言った。みゆきは気にはならない。初めて、清水に感
謝の念を持った。ありがとう、清水。
平賀は清水にタクシー代だと言って、万券を渡した。
ぐるる~
「あれ、なんか、腹いてぇ――」
「冷たいものを、慌てて飲むからだよ。フン」
「そうっすね――」
みゆきは平賀の楽屋から抜け出した。幽霊のようにそっと外に出る。平賀は
みゆきを止めもしなかった。

管理人の声エフです。幼稚園児の頃から、眠る前にエロ妄想をしていた園児のなれの果てが書いた官能小説です。読んでいってください。