by声エフ
「総看護士長、あの、これ、お返しします」
美緒は目をつむった。
「いいのよ、あなたが持っていれば」
「で、でも…………」
「いいのよ、あなたにはこれから必要よ」
「え…………」
「まあ、いいわ、必要な時まで、私が預かっておくわ。それでいい」
「はい…………」
聖子は収めてもらえて良かったと思った。これで安心できる。美緒に対して
愛情のようなものを感じていた。しかし、女どうしで愛なんておかしなモノだ
と思う。犬に噛まれたようなものだと思うことが安全だ。私は身持ちが堅いの
だ。
「高岡さん、あなた、私の下に来ない?」
「え……」
「私の下で働かないって言ってるのよ。お給料上がるわよ」
「は、はあ……でも」
「こんなところでくすぶってても、婦長止まりよ。あなた、あの婦長みたいに
なりたいの?」
「今の倍出すわよ」
「え……」
お給金が倍になるのは、シングルマザーの聖子にとって悪い話ではないと思
った。
「わたし…………」
そこへ、内科婦長の種岡が走り込んできた。
「総看護士長――、どうされましたか。うちの高岡が何か――――」
「いえ、なんにもないわ、婦長。高岡さんをうちの部署に配置換えしようと思
いまして。引き抜きにきたのです」
種岡は満面の笑顔で、はじけた。
「まぁ、うちの高岡を、それは良いはなしです……でも内科は忙しい部署です
から。突然言われましても…………」
「誰かまわせばいいのね。人事部に人をまわすように言いますわ」
「ま、まぁ、本人の意志もありますから。本人の体調も考慮して、後ほどお返
事します」
美緒は右目をつむって眉を上げた。
「お答えは、今いただきますわ。本人は良いって言ってますわよ、ねぇっ」
「は、は……い」
種岡は美緒に背を向けて聖子の尻を小声で叩いた。
「あなた、自分が何を言ってるかわかってるのっ」
「は、はぁ……」
「殺されるわよ」
「え…………」
2章の⑤へつづく
管理人の声エフです。幼稚園児の頃から、眠る前にエロ妄想をしていた園児のなれの果てが書いた官能小説です。読んでいってください。